歯垢(プラーク)の中の常在菌
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歯垢の中の糸状菌の電子顕微鏡図です。歯垢はデキストランと言う、ねばねばした多糖質で、出来ています。 |
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歯垢の中の連鎖球菌(ストレプトコッカスミュータンス)の電子顕微鏡図です。 |
混合歯列期(小学生時期)の口腔
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顎骨の表面をはがし、骨の中を見た図です。
数字(1・2・3が前歯4・5・6が臼歯)が永久歯で、 アルファベット(A・B・C が乳前歯 D・E が乳臼歯)が乳歯です。
小学1年生頃に、6歳臼歯と前の歯が崩出します。そして、6年生頃まで乳歯と永久歯の交換が行われます。この時期を、混合歯列期と呼びます。口腔内が不潔になりやすく、 虫歯がもっとも出来やすい時期です。 |
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小学1年生頃の口腔のレントゲン写真です。乳歯(下顎)の下に永久歯が出来てきているのが、よく解ります。 |
適正な歯ブラシ
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歯磨きには、適正な歯ブラシを選ぶ事が、適正なプラークコントロール につながります。
歯ブラシは、柄の部分と、毛の部分で出来ています。 柄は、ストレートで、突起や湾曲のないものがいいでしょう。
又、毛はナイロン製で、透明なものが良いです。
着色した毛は、色素物質が混入されており、毛の弾力が低下します。
又毛の堅さは、普通のものを選び、磨く時の手の加圧力で歯肉、歯にあたる力を コントロールして下さい。 毛のサイズは、3列で親指の幅位が適正です。 |
むし歯を予防する
むし歯の予防といっても、年代、世代によってむし歯のでき方が異なります。
まずこの点に注意して以下をご覧下さい。
実際にむし歯を予防するためには正しいブラッシング方法を理解し実践することが最良の方法です。
しかも、砂糖の摂取量が多いとブラッシングだけでも予防はできません。
詳しいブラッシン方法を知りたい場合は、歯科医院で個別指導を受けることをお勧めします。
専門の歯科医師、歯科衛生士の指導を受けましょう!かかりつけ歯科医で定期健診を受けましょう!
乳幼児期
1才半頃には上前歯4本、下前歯4本、上奥歯2本、下奥歯2本と10本以上の乳歯が生えてきます。早いお子さんはこの時点で上前歯の根元付近や歯間部にむし歯が発生してきます。
原因は、習慣的な砂糖の摂取や母乳の誤った利用方法によることが多いようです。2才児、3才児になると奥歯の溝にむし歯が発生してきます。
さらに幼稚園児になると奥歯、前歯ともに隣接面と呼ばれる歯の間にむし歯が発生してきます。特に砂糖の摂取量が多いお子さんはその進行も早く大変重症なむし歯へと発展してしまいます。
1才半健診、2才児健診、3才児健診などを実施している市町村もありますが、それらの公的な歯科健診に加え、かかりつけ歯科医院等で実施される定期健診を赤ちゃんの時から受けられ
ることをお勧めいたします。チェックは2重3重に行えばさらに効果的です。いずれにせよ、お子様のむし歯予防の基本は正しい食生活(おやつ)、生活のリズム、シュガー
コントロール(甘味制限)、定期健診、そして親や家族の協力なくして達成できません。小さなお子さんのいらっしゃるお父さん、お母さんもまずあなた自身の口の中の健康管理を実践
してください。それが最良のしつけにもなります。
できれば、フッ素の応用もすることでさらに予防が強化されます。
学童期
保育園、幼稚園、小中学校と学校歯科健診は年2回行われますが、学校歯科健診の結果だけで
お子さんを歯科医院へ通院させるきっかけにはしていませんか?むし歯の進行状況が軽度のお子
さん場合は確かにそれで対応はできますが、これだけではむし歯の多いお子さんや、砂糖の摂取
量が多いためにむし歯の進行の早いお子さんでは対応が遅れます。かかりつけ歯科医院で3ヶ月
に一度位のペ-スで定期管理をされることをお勧めします。学童もチェックは2重3重に行われ
る方が効果的です。しかも、学童期は成人における歯周病の予備軍ともいえる歯肉炎に犯されて
いるお子さんも少なくありません。
大人になっても自分の口の健康は自分で守れるように、学童期には一通りの歯科疾患予防方法を
理解し実行できるお子さんを一人でも多く増やしたいものです。
成人期
成人の方で今日までむし歯が1本もなく歯科治療の経験のない方は比較的数が少ないのではない
かと思います。もし、あなたがそのような方だとしても今後は管理のために歯科医院を活用して
いただくことをお勧めします。
大多数の方は口の中のどこかしらに治療経験があるはずですが、一度治療した歯を再治療された
方も多いはずです。また、歯科医院へ行くのは困ったときだけなんて人も多いと思います。
本業が忙しくてなかなか歯医者へいかれれないという方も多いはずです。そんな患者さんの声は
我々歯科医師や歯科衛生士にとっては非常によく耳に入ってきます。ところが、そんな患者さん
に限って治療に手間も時間もかかるという現実があります。
なぜでしょうか?予防対策ができているかどうかによって答えも変わってきますが、継続的な管
理ができているかどうかという問題になります。
なんといっても予防、定期健診、治療の3つの柱が基本となります。
高齢期
高齢者になると、むし歯のでき方も歯の根元にできてくるなどの特徴が目立つようになります。
しかも、根元のむし歯は比較的範囲も広く時には歯が折れてしまう原因にもなります。
治療で対応しようとしても、むし歯の進行状況によっては保存して残すことも困難になります。
結局は残すことができずに、抜歯される歯が多くなると入れ歯を入れることになります。
また、せっかく入れ歯を入れても管理が悪いとバネのかかった歯に新たなむし歯が発生するなど
の悪循環に陥り最終的には総入れ歯へと移行することになります。
やはり、若い時からの管理がものをいうことになります。